◆後遺障害の認定で必要となる知識や、示談交渉の際に起こりやすいトラブルを集めて、FAQ形式でご紹介します。
Q7 | 過失相殺とは何ですか? |
A. | 医師の方は本当に“達筆”揃いですね。私も、毎回苦労します(笑)。 最もよい方法は、保険会社に頼んで『後遺障害事案整理票』を作成してもらうことです。しかし、それにはある程度の時間がかかりますので、お急ぎの方には、以下の方法をお勧めします。 例えば、後遺障害診断書の他覚的所見欄に「頚○捻挫」とあって、○部分が判読不能だったとします。その場合、医学事典の索引で「頚」から始まり「捻挫」で終わる単語を探し、診断書の文字に当てはめてみます。それが正しかった場合は、「○」は「椎」を崩した文字であることがぼんやりと見えてきて、なるほどと頷かされます。 上記で分からない場合は、保険会社から取寄せた経過診断書の所見欄を見ます。 すると、同じような文脈の中に、似たような文字が出てくることがあります。その場合、やや読みやすく書かれている場合もあるので、「○」は「椎」だったのか、と理解出来るようになります。 ぜひ、チャレンジしてみてくださいね。 |
A. | 交通事故で首を損傷すると、よく「頚椎捻挫」と診断されます。一方、似たような症状を持つ傷病名に「椎間板ヘルニア」があります。この2つの違いは分かりにくいですね。 一言でいえば、神経の損傷を伴わず椎間板の軟部組織だけが損傷した場合を「頚椎捻挫」、椎間板の中の髄核が外部に突出し、脊髄や神経根を圧迫した状態、すなわち神経損傷を伴うものを「椎間板ヘルニア」と言います。 神経損傷があるかどうかは「神経学的検査」を行うと分かります。首だけでなく上腕や指先がシビレ感がある人は、医師に頼んで詳しい「神経学的検査」を行ってもらうことをお勧めします。 |
A. | 脊髄は、背骨を貫いて走る神経の太い束ですが、位置ごとに人体各部に対する異なる支配域を持っています。脊髄と、脊髄から派生する神経根が損傷されると、脊髄の特定の位置ごとに、特徴のある症状を引き起こします。どの位置が損傷しているかは、各種の手技による検査で明らかにすることが出来ます。これらの検査を総称して、「神経学的検査」と呼んでいます。 頚椎の損傷の場合、「神経学的検査」には「徒手筋力テスト」、「知覚検査」、「腱反射・病的反射」等々のさまざまな検査があります。脊髄の特定の位置が損傷したからと言って、必ずしもすべて決まった結果が現れるわけではないですが、重要な手掛かりは得ることが出来ます。 交通事故の被害者の方が持参する後遺障害診断書の中には、傷病名が「頚椎捻挫」であっても「神経学的検査」の記載がないものをよく見かけます。もし、後遺障害の異議申立てをお考えなら、ぜひしっかりとした「神経学的検査」を行ってもらうべきでしょう |
A. | 「むち打ち症」は、後遺障害診断書に「椎間板の膨隆」と書かれていたり、あるいは「頚椎前弯消失」と書かれたりしていても等級認定されないことがよくあります。一方、左記の検査結果が書かれておらず治療期間もわずか半年たらずでも、14級に認定されたケースがありました。自賠責の中でも、「14級」と「非該当」の間には、はっきりした基準が存在しないのかもしれませんね。 しかし、「14級」と「12級」の間には、明確な基準が存在します。 14級が、「医学的には証明できなくとも自覚症状が単なる故意の誇張でないと医学的に推定されるもの」であるのに対し、12級は、「障害の存在を医学的に証明できるもの(いわゆる他覚的所見があるもの」とされています(「注解 交通事故損害賠償算定基準」ぎょうせい)。 ここで重要なのは、「医学的に証明できるもの」というくだりです。「医学的に証明できる」とは、医証と画像所見、神経学的所見の3つ(の他覚的所見)が揃ったもの、一方「推定される」とは、3つが揃わないあるいは、それぞれのつながりは不明確ですが事故との関係を否定まではできないもの、を言います。 医師の中にはこの基準を知らず、あまり詳しい神経学的検査を行わない人もいます。その場合は、ぜひ詳しい検査をしてくれるようはっきりと申し出るべきでしょう。 |
A. | 自動車事故による障害が原因で後遺障害が残存していると認定されるためには、以下のような要件に該当する必要があります。 ・自動車事故による障害と後遺障害との間に相当因果関係があること。 ・将来においても回復が困難と見込まれる精神的または身体的な毀損状態であること。 ・その存在が医学的に認められたものであること。 ・労働能力の喪失を伴うものであること。 交通事故による後遺障害は、自動車損害賠償保障法で定められており、1から14級の140種の後遺障害が35種類の系列に分類されて規定されています。 |
A. | 交通事故後の損害賠償請求手続きを、ほとんど知らずに来た一般の方々は、おそらくとても戸惑うことと思われます。 第三者が確認しにくい症状(レントゲン写真でも写らないむち打ち症等々)の場合、治療開始から3ヶ月乃至6ヶ月程度経過した時点で、保険会社がこのような通知をしてくるケースはよくあります。しかし、ケガが治癒しておらず、治療により改善が見込めるのであれば、今まで通り治療を続けるべきでしょう。 被害者が自費で払った治療費や、健康保険の自己負担分は、治療終了後に異議申立てを行えば、まとめて請求することができます。 保険会社から治療を打ち切られた時点で、医師に「治療継続の必要性を認める」との診断書を作成してもらえば、異議申立ての際に有利な証拠となります。 保険会社から言われるままに治療を止めてしまえば以後、通院交通費、慰謝料、休業損害などは、支払われないことになりますから、注意が必要です。 |
A. | 過失相殺とは、被害者にも事故発生の原因が認められる場合に賠償金額の一部が減額されることです。 被害者3、加害者7の過失割合の場合であれば、損害額の70%のみ受け取ることになります。 |
A. | 「症状固定」とは、傷病の症状が安定し、それ以上世間一般的に認められた医療(実験段階又は研究的過程にあるような治療方法は含まない)を施しても、その治療効果が期待できなくなった状態をいいます。 つまりは、症状が「固定」した、ということになります。 |
A. | 確かに、最近は交通事故、中でも後遺障害の専門を売り物にする行政書士事務所が増えて来ましたね。他の事務所がどのような特色を持つか、詳しくは存じ上げませんが、当事務所には下記のような特徴があります。 当事務所の所長は行政書士事務所を開業する以前、10年以上にわたり健康雑誌で記者の仕事をしてきました。従って、いわゆる医学的な知識に関しては、一から後遺障害を学んだ人よりも格段に豊富だと自負しています。 実際、当事務所の交通事故関係の蔵書は現在150冊以上、うち後遺障害関係の医学書は50冊以上に上ります。もちろん、この数は現在も増え続けています。 詳しくは、こちらをご覧ください。 |
A. | よくお尋ねがありますが、個々のケースにより事情当然は異なります。確率はあまり意味を持ちません。というのも、依頼者の方の中には、例え10%でも可能性があれば依頼したいという人もいれば、いやいや80%近くなければお断り、という方もいて実にさまざまだからです。 この両者で、異議申立てが認められる確率が異なるのは、当然です。 では、どのような場合にご依頼をお引き受けするのでしょうか。 後遺障害は、それぞれ等級や症状ごとに、一定の認定要件が定められています。例えば、頚椎捻挫(むち打ち症)における14級と12級の場合ですと、14級は、障害の存在が医学的に“推定”されるだけで認められるケースがあるのに対し、12級の場合は、医学的に“証明”出来る必要がある、といった具合です。(依頼者の方には、“証明”の内容にも踏み込んで、さらに詳しくご説明しています) 当事務所では、相談者の方から十分な聴き取り調査を行った上で、少しでも要件に該当する要素があれば、それを“可能性”としてお伝えしています。また、新たな検査を行えば、結果によっては確率が高まりそうな場合についても、詳しくアドバイスを行い、異議申立ての可能性を探るお手伝いをしております。その上で、依頼者の方に十分ご納得いただいた上で、業務をお引き受けするようにしています。 従って、どなたにも安心してご依頼いただける、とご好評をいただいております。 |