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後遺障害の知識

「後遺障害」とは何か

交通事故に遭うと、「後遺障害」という言葉を、よく見聞きするようになります。
しかし、この言葉に、特別定まった定義が存在するわけではありません。
あえて探せば、自動車損害賠償保障法施行令第二条に、「傷害が治ったとき身体に存する障害をいう」と定められている程度です。

では、「後遺障害」が残れば、その後の「後遺障害慰謝料」や「逸失利益」の請求権が得られるかといえば、そうではありません。多くの場合、後遺障害の「等級」に認定される必要があります。

自賠責保険では、等級認定の実務は、労災の等級認定の基準に準拠して行われます。
そこには、以下のように規定されています。

負傷又は疾病(以下「傷病」という)がなおったときに残存する当該傷病と相当因果関係を有し、かつ、将来においても回復が困難と見込まれる精神的又は身体的なき損状態であって、その存在が医学的に認められ、労働能力のそう失を伴うもの

交通事故に即して言えば、

  1. 怪我と事故との間に相当因果関係があり、
  2. 将来に亘って回復が困難と見込まれる精神的・身体的に傷ついた状態であり、
  3. その存在が医学的に証明されるものであり、
  4. 実際に労働能力の喪失を伴うもの、

ということになります。

後遺障害の等級認定のみならず、「逸失利益」もほぼこの基準で判断されます。

「症状固定」について

これ以上治療を継続しても、症状の改善が見込めない状態になったことを、「症状固定」といいます。
症状固定の「時期」については、以下のケースが多いようです。

  1. 手や指の切断など身体の一部が欠損した場合は、その時点で症状固定。
  2. 運動障害や機能障害、醜状障害等は、医師の判断
  3. むち打ち症などの場合は、一応「6ヶ月程度」が目処。

3の場合、注意すべきは6ヶ月を過ぎるころになると、保険会社から、「そろそろ症状固定にして、等級認定を受けられては」と尋ねて来るケースが増えることです。その際には、合わせて治療費打ち切りを宣告してくる事例もあるため、被害者の中には戸惑われる方も多いと思われます。

どうしても治療の継続を望む場合、まずは医師に相談するとよいでしょう。
今受けている治療で症状が改善に向かっている場合は、医師に、「治療継続の必要性を認める」との診断書を書いてもらい、それを保険会社に提出すれば、認めてもらえるものと思います。

仮に認められない場合でも、治療終了後に異議申立てを行えば、治療費等の請求が認められる可能は高いと思います。

一度、「症状固定」とされて等級の認定を受けた後に、さらに症状が悪化することもあります。その場合、示談書に判を押す前なら、再度「後遺障害診断書」を作成してもらい、後遺障害の異議申立てを行うことが可能です。

詳しくは、当事務所へご相談ください。

「後遺障害慰謝料」について

後遺障害の「後遺障害別等級表」を見ると、等級の横に「保険金額」と書かれた欄があります。

例えば、第14級を見ると「75万円」と書かれていますが、この金額が何を意味するのか、分からない人も多いのではないでしょうか。

自賠責基準では「後遺障害保険金」の金額は、「逸失利益」と、「後遺障害慰謝料」の合計を意味します。第14級の場合でいうと、「75万円」のうちの「32万円」が「後遺障害慰謝料」であり、残りの「43万円」が、「逸失利益」というわけです。

そのため、加害者が任意保険に加入しておらず、自賠責保険しかなかった場合は、例え後遺障害第14級に認定されても、逸失利益は最高で、「43万円」しか請求出来ない可能性が高いのです。
(それ以上請求する場合は、訴訟などを起こす必要がある)

しかし、裁判所基準や弁護士基準では、通常「75万円」を「後遺障害慰謝料」とみなす扱いが一般的です。そのため、当然「逸失利益」も別途請求可能となります

積極損害とは?消極損害とは?

積極損害」とは、簡単に言えば治療費・付添看護費・入院雑費・通院交通費・装具器具等購入費・葬儀関係費など、事故の被害を受けて実際に被害者が支払ったお金のことです。

「社会通念上必要かつ妥当な実費が算定の基礎になっており、著しく高額で常識を逸するような費用の場合は当然、妥当な額の範囲で算定されることになる」とされています。

対する「消極損害」とは、事故に遭わなければ被害者が本来獲得していただろうお金を指し、休業損害や後遺症及び死亡による逸失利益などが該当します。

両損害とも保険会社を通して被害者が受け取ることが可能です。

後遺障害による「逸失利益」

後遺障害が被害者の生活にどのくらいの被害を与え、収入面ではどのくらいの損害をもたらしたかを算出する方法をご紹介します。

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後遺障害に対する「慰謝料」

後遺障害等級によって定められている慰謝料、ここでは基準額以上の慰謝料を請求するための方法をご紹介します。 

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